就活の自己実現という罠、歯車の人生
就職の考え方
就職活動について、多くの就活生が自己分析などを行う際に必ず到達する疑問があります。
私は何がやりたいのか
疑問に思うことは重要であり人生の糧になるのは確実ですが、多くの企業からお祈りメールをもらった挫折期に考え始めるのは大きな問題です。
そのような中で「就職とは何か」という問いかけに対して、少し考えてみたい提案があります。
この2種類の考えについて説明しようと思います。
好きなことを見つけて行動すること(自己実現説)
自己分析において多くの人がまず先に考えるのが好きなことを見つけてそれを仕事にしようという考え方です。
仕事をする権利を得るという考え方でもあり、仕事と幸せを主軸にして就職活動を行うという生き方です。
本当に好きなことが仕事として収入になるのであれば、これはとても幸せな生き方と言えます。
目の前に存在する穴を埋める作業(養老孟司「超バカの壁」)
もう一つの考えは、社会には問題や不十分な穴があり、目の前に存在しているこれらの課題を解決する作業が仕事であるという考え方です。
言い換えると、経済学で言うところの需要(社会の穴)に対して供給を行い、その対価として給料などを得るという考え方もできます。
養老先生は著書の中で「自分に合った穴が存在するに違いない」という考えを否定しています。
「仕事というのは、社会に空いた穴です。道に穴が空いていた。そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。ともかく目の前の穴を埋める。それが仕事というもの」
もう一度、2つの考えを見直す
あらためて私たちが共有したい考え方を選び出す必要があるかもしれません。
どちらも一長一短があります。
自己実現を重視する場合、本当にその仕事に就けるのだろうか。
やりがいはあるけれど過酷な労働環境の中に身を置くことはできるのだろうか。(やりがい搾取)
また、目の前の穴を埋める作業と割り切ったとき、ルーチンワークになりがちな目の前の課題を解決するだけの生き方が幸せになるのか。(社会の歯車)
もう一度考えてみる必要があるのかもしれません。
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