就職の道・逆求人「即戦力な男から」
新卒一括採用
就職活動に関して、現在行われている新卒一括採用について批判する言説も多い。でも逆に、日本のバブル期以前は欧米が「日本の新卒一括採用と年功序列は素晴らしい」といった議論がされていた。
この件については深く議論する必要があるといえるが企業の目線に絞った場合、スキルを必要とする職業に対し、能力のある人材が不足している場合は新卒一括採用も有効である。
ただ、人材が余っている場合、わざわざスキルのない人間を雇って育てるコストが大きくなり、ジョブ型の就職が推奨される。
労働者の視点で考えれば、新卒一括採用は職業のスキルもない若者でも運と相手を納得させる能力(学歴や対話力など)があれば多くの企業に就職できる。
しかし、スキルによって差別化しにくい以上、ライバルとなる学生が多い。新卒の就職活動は1度しかないなどのデメリットも上げられる。
就職や仕事については時代別に様々な変化を遂げていた。
戦国時代の実力社会では就職が容易だったこと。江戸時代の封建制では次男以降が就職難だったこと、戦後の年功序列の会社が社会保障の一翼を担っていた時代があったことなど面白い分析もできる。
今回は新卒一括採用と逆求人について考える。
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産業革命から現在にかけての労働
働くということに関して歴史の流れも踏まえながら、もう一度考えてみる。
近世の労働観(重商主義時代)
歴史を振り返ってみると、支配者階級の革命によって時代の変化が見られた。
フランス革命やロシア革命の例だけでなく、日本においても朝廷、豪族、貴族、武家、政府による新しい秩序の成立がしばしばみられる。
産業革命以後の弱肉強食の社会においては、労働者という奴隷階級と資本家という特権階級の対立が語られる事がある。
特権階級の既得権益化によって中間層の無気力社会の到来を予見する経済学者も存在していた。
しかし、現実には無気力社会は訪れず、奴隷制度と揶揄されるかもしれないが、生きるためには働くしかなく、末端の労働者は過酷な労働条件の中で仕事を行う時代という側面も見られた。
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