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国土地理院 地形図のカラー化の話

最新版のカラー化された地形図に関して。

 

http://net.jmc.or.jp/digital_data/gsi/denshichizu25000/denshiChizu_sample1.jpg

国土地理院の地形図が順次カラー化されている。

地形部分がグラデーションのあるカラー化されているため、尾根や谷の地形がかなりわかりやすくなっている。

また、逆に市街部に関してはオレンジ色の表記を行っているために分かりにくくなっている印象がある。

 

現在、大型書店における地形図購入者の多くは登山目的と予想することができるが、その目的に対応して地形図を見やすくしても購入意欲が増えることは難しい。

結局、山と高原地図などの登山地図との対比を行う限りにおいて、カラー化したとしても登山に使用する際の差別化が行えない。

特に、登山地図には難易度別の登山道表記や山小屋、避難小屋、水場などの表記が充実しているし、登山道のおおよその所要時間が記載されているものがほとんどである。

登山地図が5万分の1の地図が多い一方、地形図には2万5千分の1の地図のようなより詳しい縮尺が揃っており、こういう内容でしか差別化できていない。

そもそも、現在最も信頼できる地図はスマホの登山アプリであり、GPSのログを使用して多くの登山者が利用している歩行経路が分かる地図アプリが確実である。

紙の地図はあくまで補助やスマホの電池がなくなった際の役割しか考えていない登山者の方が増えつつある。

 

地形図は登山目的以外には、地図のベースとなる地図として利用する場合も多いと聞く。その場合、カラーによって分かりやすさが増すということは、装飾による情報量が増えるということでもある。一次資料として利用する際、装飾による余計な情報が増えると使いにくい場合が生じやすい。

 

ひとりのユーザーとしては地形図には地形図の利用の仕方があるし、登山地図には登山地図の利用の仕方がある。両方が異なった進化を遂げて使い分けができる方がいいと思う。